ペット事業「参入」を目指す、大企業との対話 vol.3

【ペットと人のニューノーマルを創造し、拡張するこれからのビジネスの作り方 #2 】

ゲスト:日本航空 イノベーション推進本部 宮崎昭彦 氏・磯﨑くるみ 氏


■外部プレイヤーとの接点をいかに作るか


宮崎:実際、これもペットオーナーの方々からのインタビューで出てきたのですが、どこにアクセスすれば信頼できる病院やシッターさんにたどり着けるのか分からないという声があがっています。私たちとしても、どうやって事業としての利益を出すかより、まずはいかに信頼される仕組みを作るかを優先すべきと考えています。


生田目:僕ら動物医療の側もペットシッターの事業は必要ですし、やりたいと思っているんですよ。しかし、僕らだけで事業化するのは難しい。その点、JALさんはビジネスのプロであるだけでなく、インフラ企業としての信頼度がとても高いじゃないですか。そういう企業さんに参入してもらえたら、僕らとしてもすごくありがたい。できることが広がります。

例えば、ヨーロッパには「ペットパスポート」というものがあります。飼い主やペットの情報、ワクチン接種の有無などをまとめた冊子で、動物病院で作成できます。これがあればEU内の旅行の際に検疫が免除される仕組みです。

これと似たようなものを日本の動物病院がやろうとしても、小規模事業主が多いので全国に広がっていくものにはなりません。しかし、例えばJALさんとアライアンスを組めるとしたら、各地の病院も参加しやすくなると思います。

それはペットオーナーさんの利便性を上げることにつながりますし、病院がペットの安全性を認定することで、宿泊施設なども安心して受け入れることができるようにもなる。みんなが喜びますよね。


磯﨑:おっしゃるとおり、動物病院と組むようなことができたら理想的ですし、いろいろな可能性が広がると思っています。ただ、動物病院や医療領域の情報を集めるのに苦労していることもありまして、私たち自身も、どこに相談したらそういったことが実現できるのかまだ手探りでやっているような状況です。


生田目:やはり「場」の問題ですよね。ペット業界、動物医療の業界が、外部のプレイヤーと接点を持てる「場」をいかに作るか。まさにQAL startupsで取り組みたいと思っている課題です。


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