ペット事業「参入」を目指す、大企業との対話 vol.4

【ペットと人のニューノーマルを創造し、拡張するこれからのビジネスの作り方 #2 】

ゲスト:日本航空 イノベーション推進本部 宮崎昭彦 氏・磯﨑くるみ 氏


■将来への投資としてのペット事業


生田目:いまは事業化に向けて進んでいる真っ最中とのことですが、この先、どのようなハードルがあると考えていますか?


宮崎: JALがやるべき意義を見出だせるかどうかだと思います。それは単に収益になるかどうかではなく、お客さまから本当に求められているサービスであり、取り組みなのかというところですね。


磯﨑:ご高齢の方のペットの飼育放棄問題など既に様々な課題が議論されていますが、これから少子高齢化がもっと進んでいくと、高齢者とペットの関係はますます注目されるようになると思っています。そのときにペットがいる方は飛行機に乗れない、あるいは乗りづらいとなったら、航空業界全体の需要が減ってしまう。航空会社がペットとペットオーナーさんの幸せな関係について考えることは、将来への投資にもなる。そんなことをさまざまな面で考えながら事業に落とし込んでいきたいと思います。


生田目:僕ら動物医療の業界としても、小さな企業と専門家だけでは解決できない問題がたくさんあります。JALさんのような大手企業との「共創」はまさに我々のテーマでもある。だから、JALさんにはぜひ実現してほしいと思います。


磯﨑:ありがとうございます。対談というよりも相談のようになってしまいましたが(笑)、そう言っていただけると心強いです。


生田目:ペットの飼育頭数が増える一方で、飼い主さんにとっては肩身が狭い世の中になっているのではないかと感じるときがあります。ペットを連れて公園に入るとイヤな顔をされることも増えましたし、消毒やトイレの世話もかつてなかったほど厳しく問われる時代。

その反面、便利になったこともたくさんあります。昔だったら、そもそもペットシッターというサービス自体がなかったわけです。ビジネスを通じてできることはたくさんあるし、QAL startupsとしても、JALさんのような企業と共創しながら、飼い主とペットの両方の生活の質が向上するようなサービスを作っていきたいと思っています。