日本で唯一の動物看護専門誌「as」から動物看護専門月刊誌「動物看護」へ Vol.2

獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ


ゲスト

・高橋真規子

(株式会社EDUWARD Press 動物看護専門誌「動物看護」編集長、愛玩動物看護師)

・酒井麻有

(株式会社EDUWARD Press 動物看護専門誌「動物看護」担当、愛玩動物看護師)


■日本で唯一の動物看護専門誌「as」から動物看護専門月刊誌「動物看護」へ 続き


生田目:次に、酒井さんについてもご紹介させていただきます。

日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学科にて動物看護に関する勉強をされた後、同大学の大学院へ進まれ、獣医生命科学研究科にて獣医保健看護学の修士号を取得。その後2018年に株式会社インターズー(現EDUWARD Press)に入社後、as編集部に所属し今年で6年目。

新創刊「動物看護」でも引き続き編集を担当し、各種特集/連載を手掛けていらっしゃいます。


酒井:ご紹介いただきありがとうございます。

この5年間で「as」では色々な企画を担当させていただきました。なかでも私が一番印象に残っている企画は、2021年4月号から掲載し始めた国家試験関連の連載(as国試対策ゼミ)です。“国家試験の勉強用に活用できる内容を”と企画し開始した連載で、テキストの一部を赤シート対応にしたり、「as」のオンラインサロンサイトとして運用していた「asサロン」との連携型にして誌面と動画の両方から学びを深める仕様にしたりなど、はじめての試みを詰め込んだ内容で私にとって思い出深い企画です。


生田目:ありがとうございます。お二人はともに「動物看護」の勉強をされてから雑誌の編集に携わっているのですね。どのような想いをもって雑誌の制作に携わっているのか、お聞かせいただけますか?

高橋:私は動物病院で働くために当時資格取得をめざして3年間専門学校へ通いました。就職前には50近い動物病院に見学・研修に行き、やっと手に入れた臨床現場での勤務生活では、学生時代に目を背けてきた動物アレルギー(特に猫)という体質と向き合い、闘う日々でした。「仕事と命どちらをとるのか」と主治医から迫られ、泣く泣く現場を離れるという、今思い出してもなんとも言えない気持ちになる、それは大きな人生の挫折でした。


私自身が直接動物に寄り添うのが難しいならば、動物看護師という職業をサポートできないか、情報の最先端である臨床で頑張り続ける専門職を支えたいという気持ちで、株式会社インターズー(現EDUWARD Press)での仕事に就きました。今もそれは変わりません。

数えきれない多くの職業のなかから「動物看護師」を選んでいる方がそれだけで無条件に大好きなので、多くの出会いがある雑誌制作はワクワクが止まりません。命と向き合う本当に大変な仕事なので、読者の皆さんに少しでも元気になっていただけるネタはないか、雑誌を通して少しでもパワーを届けられないかと日々考えています(笑)。


酒井:私は先ほどご紹介いただいたように、大学で4年間、大学院で2年間の計6年間動物看護を学びました。大学付属の動物医療センターに来院される動物に対して「動物看護過程」に基づいた実践を行い、実践から得た結果を「記録」としてまとめ、検討するという過程を繰り返し、動物看護の個別性を見出していくことを主に行っていました。大学院に進学しようと思ったのは、単純に「動物看護」という学問に面白さを感じたためです(笑)。

大学院の在籍中は、本当に色々な方々に支えていただいたので、就職先は「今までの恩返しができる仕事/臨床現場という表舞台を支える仕事がしたい」と考え、思い切って雑誌編集の世界に飛び込みました。雑誌制作もさまざまな人の支えがあって成り立っています。

企画を立案したり誌面を制作したりする際には、「現場の人が手に取りたいと思うもの/読みたいと思うものとは何か?」を常に頭に思い浮かべながら、制作に取り組んでいます。


生田目:ありがとうございます。お二人ともとても強い想いをもっていらっしゃるということが良くわかりました。本日はよろしくお願いいたします。

Vol.3へ続く