獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ
ゲスト
・横田淳子(一般社団法人 日本動物看護職協会会長、愛玩動物看護師)
■愛玩動物看護師の可能性と活躍の場の広がり。「動物看護料をもらえるだけの仕事」をしてこそ、地位は上がっていく。続き
生田目:少し踏み込んだ質問をさせていただきたいのですが、愛玩動物看護師の給与面を上げるためには、具体的にどうしたら良いとお考えですか?
横田:まず前提として「動物医療が安いのは美徳」という時代は終わりました。このような時代も確かにありましたが、現在の動物医療は多くの検査機器を用い、様々な検査項目を実施し、診断を行います。入院に関しても、多くの機材を用いて管理・治療が実践されています。
このような実態からも、適正な処置料や動物看護料を発生させるべきであり、そうしないと賃金を上げるのは難しいと考えます。
生田目:愛玩動物看護師サイドとしては、きちんと動物看護料をもらえるだけの働きをする、動物病院サイドとしては、動物医療を安売りするのではなく必要な代価を適切にいただくような時代になったことを理解していかないとならないということですね。
横田:おっしゃる通りです。動物を家族に迎える際には必ず費用が発生します。これを理解しなければ迎えることは難しいですよね。
生田目:横田会長のお話しを聞いていて、教育の部分から現場のやり方まで、国家資格化したことで、すべてがつながっているのだと理解できました。
横田:「自分たちの主張ばかりではなく、自分たちが社会にどのように活用されていくのか/社会的価値はなんなのかが認められないと国家資格にはならない」ということを今回の国家資格化を通じて学びました。
業務独占を付ける国家資格というのは、国民に対する制約をつけること、つまり職業の選択に対して制約を付けることになりますので、なかなか法律として認められないそうです。そのため、今回実態提示が叶わなかった産業動物に関しては法律に組み込むことができず、「愛玩動物」に限った資格となった、という背景につながります。
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