獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ
ゲスト
・上野弘道(東京都獣医師会 会長、獣医師、博士(獣医学))
■今は伴侶動物を扱う獣医師3.0の時代。これから来る獣医師4.0の時代とは? 続き
生田目:獣医師や愛玩動物看護師がワンヘルスへ介入するためには、どのようにすれば良いのでしょうか?
上 野:まずは獣医師の社会的地位を確立させ、ワンヘルスの実現に欠かせない存在であることをアピールしていく必要があります。そのためには、獣医師の職域を拡大する必要があります。治療を行うだけではなく、飼い主さんの不安を取り除いてあげること、たとえば治療費や保険の話、ペットより先に自分が亡くなった場合の受け入れ先の相談などを行い、従来の目線を社会からの視点に変えることで獣医師の職域は広がっていくのではないかと思います。
また、海外では公衆衛生の専門家として軍隊に獣医師が所属しているそうです。
私は海外と同様に、10〜15年後には日本の自衛隊にも獣医師が所属している時代が来ることを願っています。ワンヘルスに獣医師を介入させることは、動物だけではなく、ヒトの安全も守ることになるので、結果的に獣医師が社会とのつながりをもつことができます。
そうして社会的地位を確立させ、ワンヘルスに介入し獣医師が“国を守る職業”となることを目指して、私も東京都獣医師会会長として邁進していきたいと考えています。
生田目:ゆくゆくは獣医師だけではなく、国家資格となった愛玩動物看護師も介入し、獣医療業界全体で活躍できるようになれたら嬉しいですね。
上 野:はい。獣医師と愛玩動物看護師の連携もとても重要なポイントだと思っています。そのような未来がくることをとても楽しみにしています。
■愛玩動物看護師の現状と今後、求められることとは
生田目:上野先生が経営されている日本動物医療センターグループのスタッフは現在、どのような働き方をされているのでしょうか?
上 野:日本動物医療センターグループでは、獣医師と愛玩動物看護師がチームとなって 24時間体制で治療・看護を行っています。いまや愛玩動物看護師は獣医師のサポートだけではなく、質の高い獣医療を提供するための重要なメンバーの一員となっています。
生田目:素晴らしいですね。どの動物病院も同じような働き方ができているかと言われると、なかなか難しいというのが現状だと思います
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