『京料理人,四百四十年の手間: 「山ばな 平八茶屋」の仕事』を読んだ。

この本はなかなか面白い。


知的枠組みを広げるという観点で言えば、

京料理の系統や料理人の仕事など色々なことが見えてくる本。

おそらく著者の意図とは違うと思うが、

わたしにとってこの本は、経営を学ぶテキストだった。


経営者視点で言うと、

この本は、 家業として仕事を継続していく黄金律というか

”正しい家業の続け方” のようなことがわかる本。


正業か? 家業か? 企業か?


それらの存在目的によって 経営の方法やゴールデンルールは当然変わる。


しかしその区別をつけられている人が意外と少ない。


世の中にはいろいろな経営理論や 必勝法やメソッドがあるが、

一つのスピーカーやメソッドを信奉するのではなく、

「それを使い分けるスキルが 経営でいちばん難しいんだろうな」と

あらためて感じたりしながら読了。


かつて、MBAを取ったという方から

商談中に突然ホワイトボードでレクチャーされた経験が数回ある。

商談の筋にあった内容であればよかったが、

いずれも単なる”MBA授業で習った内容の説明”

最後まで聞いたが、知ってる話だった。


引き出しの中身ではなく、

知識や技術は

その”使い方の技術”が一番大切だ。


経営は実学。

知識だけで事業は作れない。