“部分からみた全体”と“全体から見た部分”

リーダーに必要だと思うスキルの一つに 

 『複眼的な思考』 というものがある。


かたよらず、こだわらず、とらわれず、

自分の経験や先入観だけにとらわれることなく

物事を多面的に見て考えるスキル。


ヒトの話を聞き、

独善的にならず

かといって流されず。


バランス感覚が難しい。



モノづくりをしていればモノづくりからモノを見るし

数字を分析していれば、数字からモノを見る。

みんな自分の得意領域からモノを見がちだ。


しかし、自分が専門職の立場でも、総合職の立場でも、

いずれにおいても仕事では"3つの人格"を使い分ける必要がある。 


 ・ 起業家的なビジョンを描き語る人格

 ・ 管理者的に、物事を整理して進める人格

 ・ 職人的に、現場や細部にこだわる人格 


私はこの表現がわかりやすかったが、


一方では、"3つの目"という表現もよく使われる。


 ・ 近いところから細部を見るアリの目

 ・ 高いところから全体を見るトリの目

 ・ 変化を逃さず見るサカナの目


その業務を担当していたり、その作業を自分で行っていると、

そこから見えるものが一番大切なことのように感じる。


自分の先入観にとらわれ、こだわり、かたよった考えに陥る。

うまくいくこともあるが、たいていは何か大切なものを見落としている。


自分のこだわる小さな部分はうまくいっているように見えるが、

全体で見ると決してうまくいってはいないのだ。



私はいつも自分に言い聞かせているフレーズがある。


『部分の総和は全体にはならない』


私自身も"部分"にこだわりたくなる時がある。

自分で思いついたアイデアや、自分で見つけた物件の場合、

とてもよく見えてしまうことがある。

また、自分が発見した課題や問題であれば、

その部分を最適化すれば全体がよくなるように錯覚する。


しかし、"部分"がいくら良くなっても"全体"はよくならない。


全体をよくするためには、

最初に全体から考え、

全体を俯瞰的に見た上で、

複眼的に考えていかなければならない。


「自分の知識と経験」


これ以外にあなたはいくつの視点を持っているだろうか?


師匠について仕事を教わった人は

自分以外の視点を持っている。


ヒトから素直に学ぶことができる人も

自分以外の視点を持っている。


事業の成功確率を上げたければ、部分ではなく全体を見ること。

そのためには、ヒトの話を聞く能力と思考のバランスが必要だ。