当たり前の衝突を避けよ

『当たり前』という言葉は

職場でもよく耳にする。


「社会人ならできて当たり前」

「あれは部長が怒って当たり前」

「獣医師であればそう考えて当たり前」

「ビジネスではそうするのが当たり前」



『当たり前』という言葉は

それが普通のことである、というだけではなく、

それが理にかなっている、そうあるべき、そうするべき、などの

個人の価値観に基づいた判断を含んだ意味を持っているらしい。



私自身、若いころはよくこの言葉を使い

自分との価値観の違いに怒っていた。


『なぜ、あんな当たり前のことができないんだろう』


しかし、海外と取引するようになってから

この『当たり前』という言葉は、


・ 単なる個人の経験

・ 世代的な価値観

・ 地域性の影響

・ 職種に基づく価値観

・ 業界のローカルルール

・ 日本のローカルルール など


勝手な思い込みなのだと

感じるようになった。



社長という仕事をやりながらの

事業開発や販路開拓なので

たくさんの経験があるわけではないが


中国、台湾、韓国、タイ、

ベトナム、シンガポール、マレーシア、インドネシアなど


これらの国とは商取引をしたり

協業を検討した経験がある。


2つの国の取引先とは

今でも頻繁に連絡を取っている。


しかし、どの場面においても

彼らとのやり取りでは

こちらの考える『当たり前』は通用しない。


・ なぜそうなってしまうのだろう。

・ なぜそれにそんなに怒ったのだろう。

・ なぜこちらが嫌がることをするのだろう。

・ なぜ時間通りに来ないのだろう。

・ なぜ予定を無視して今日決めたがるのだろう。


こんなことを10年も繰り返していると

『当たり前』という言葉は

以前よりも使わなくなった。


上司と部下

社長と新入社員

プロパー社員と中途社員

獣医師と総合職

獣医師と動物看護師・トリマー


価値観が違うのは当然。


『当たり前』の違いで衝突してしまうことはよくあるが、


その違いをお互いに理解をしてチームを作る面白さ

『当たり前』が違うからこそ生まれる共創


これをさらに楽しめる会社にしていきたいと思う。



海外取引での『当たり前』の違いを克服する方法、

それはアサーティブな対話の積み重ねでしかない。


これは海外取引だけでなく、

どの職場の日常でも同じことだと思う。