【ペットと人のニューノーマルを創造し、拡張するこれからのビジネスの作り方 #6 】
ゲスト:「DG TAKANO」代表・高野雅彰氏
獣医療を起点とし、人とペットの間にある課題を解決するスタートアップスタジオ「QAL startups」。その中心メンバーにして、獣医師・連続起業家である生田目康道氏(QAL startups代表取締役)が、これからのペット業界に求められるビジネスの姿を探求していく連続対談シリーズ。
その第6回目となる今回は、ものづくりの町・東大阪から2010年に誕生したベンチャー企業「DG TAKANO」代表の高野雅彰さんが登場。洗浄効果を維持しつつ、水の使用量を最大95%削減できる節水ノズル「Bubble90」の開発で知られる同社は、いかにして成長してきたのか。
起業家としてゼロイチに挑戦し続ける高野さんに、起業のリアルについて聞きました。
■やりたかったことは、誰もが夢を叶えられる組織作り。
生田目:DG TAKANOは東大阪から世界に羽ばたき、今ではシリコンバレーにもオフィスを持つほど成長されています。従業員の約半数も外国人という特徴もお持ちですが、そもそも、なぜ節水ノズルで起業されたのでしょう?
高野:節水ノズルで起業しようと決めていたわけではありません。当時、自分がやりたいと思っていたのは、誰もが夢を叶えられる組織作りでした。僕が大学生の頃はベンチャー企業なんて言葉を聞いたこともなく、同級生は大体みんな大企業に就職していました。僕自身もIT関連企業で3年間サラリーマンをやりました。でもね、そこで「なぜ、今の社会はこんなにボロボロなのか」と思ったんですよ。
とにかく、働いている人にやる気がない。僕の感覚では9割の人の目が死んでいた。本来、会社っていうのはお金をもらって働きながら自己実現するための場所だったはずです。でも、ひとりでは難しいから、いろんな人が集まって協力して夢を叶える。それが会社のあるべき姿です。
でも、実際の会社は与えられた仕事をやるだけの人でいっぱいで、夢が叶うなんて誰も思ってないから自分でやりたいことを考えもしない。これじゃあかん、自分が描いた夢に向かうための道筋をデザインできる場所が必要だ、と思い、DG TAKANOの前身であるデザイナーズギルドを創業したんです。29歳のときでした。
「夢を叶えたい人が集まる会社」を作ると決めたのですが、当時の自分の周りには誰も賛同してくれる人がいなかった。夢を持っている人がいなかった。新卒で大企業に就職する人は、夢よりも、規模感や社会的な信用を重視している。だから、たった一人で起業したんです(笑)。そこで初めて、じゃあ何をしようかとなったわけです。
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