犬にやさしく、獣医師とトリマーが連携するサロンを作りたい Vol.6

【 QAL startups流 新規事業の作り方 #1 】


ゲスト

  • 髙木美樹氏(TALL TREE. )
  • 立石佳奈子(QAL startups QTREE. 事業責任者)


■QTREE. 事業の今後の展開とは?


生田目: まずは直営1号店がオープンし、この店舗運営を軌道に乗せること。そして理想としている品質を保ち、安定した運営をすることに注力していると思います。今後、QTREE. 事業としてはどのように展開していきたいと考えていますか?


立石: 1号店に続き、直営の2号店、3号店をオープンさせていきたいと思っています。これらの店舗はトリミングサロンとしてだけでなく、今後はトリマーさんたちの学習の場としても活用していきたいです。QTREE. のような動物病院連携型トリミングサロンは、今後のペット業界に確実に必要となります。だからこそ、直営店のみの展開ではなく、これらのノウハウを提供する教育事業を展開していきたいと考えています。オンラインサロンやセミナー等、座学で学びを提供し、実際の直営店での実地研修を行います。頭でだけでなく、実際に手を動かし、体を動かしながらこれらのノウハウをぜひ身に付けていただきたいですね。


髙木: 私たち自身も常に学ぶ姿勢は崩さずに進めていきたいです。実は今回の事業は、スピードトリミング®の次の形ととらえています。新しい動物病院との連携の中で、トリマーとトリミングサロンにとっての新しいスタンダードなやりかたをこの店から生み出していきたいと思っています。


製品や知見、様々な新しいものが日々生まれ、発見されています。新しいモノやコトは敬遠されがちですけど、時代とともに変わるのが当たり前ですよね。実際、私が始めたスピードトリミング®もどんどん進化しています。だからこそ、QTREE. のやり方も日々アップデートしていきたいですね。また、1号店がオープンしたからこそ、現場での知見も蓄積していくことができるなと感じています。将来的には、例えば、心臓病の子だったら、お湯の温度は何度以下、何分以内で必ず洗うとか、乾かし方はこうだ、などの具体的な基準を作っていきたいです。


生田目: 教育事業として展開していくことができれば、この動物病院連携型トリミングサロンのスタンダード、ノウハウを持ったサロンを全国に増やしていくことができますね。トリミングサロンは動物病院と連携しているのが当たり前という世の中になれば、飼い主さまたちにもっと、ペットを飼いやすい場所、町が生まれていく。それはもちろん、QAL startupsが目指す、飼い主さまと犬のQAL向上を叶えることができる社会になるはずです。


今後のQTREE. 事業の構想についてお話していただきましたが、髙木さんご自身は今後QTREE. 事業にどのようにかかわっていかれるのでしょうか?


髙木: 今まではスピードトリミング®の髙木美樹、TALL TREE. の髙木美樹でしたが、今後はQTREE. の髙木美樹になりたいです。私が目指している形がQTREE. であり、そのシステムを取り入れたサロンを増やしていきたい。教育事業、新しいスタンダードを作ることをはじめ、細かいことでも力になれたらと思っています。


私自身、昔はただのトリマーでした。そして今は経営者に近いトリマーになりました。トリマーはみんな技術にこだわりすぎてしまうから、再現性のないものばかりが増えていってしまいます。そうではなくて、一連の流れを作って正しい順番でトリミングをする。そして動物病院と連携して、犬と飼い主さまにとって安心なシステムを作ります。完成度を高めていくためには数年はかかると思いますが、QTREE. で新しいシステム、次のスタンダードを作りたいです。


生田目: ありがとうございました。私たちも目指すところは同じです。


立石: 一緒に頑張っていきましょう。