『企業動物病院』とは何か?



動物病院の業界では“企物病院”という言葉が

一般的に広く使われている。


学生さんでも

勤務医さんも

開業医も。


みな、この企業病院という言葉を使う。


この言葉が出現したのはここ20~30年。

歴史は浅い。


・ 中部地区の独立系大規模チェーン動物病院

・ 大規模小売業系チェーン動物病院


彼らの出現がこの言葉を生み出したのかもしれない。


しかし、残念ながらほとんどの人が

この言葉を本来の意味とは異なる使い方をしているように感じる。


本来、すべての動物病院や獣医業は事業であり企業である。

だから企業ではないボランティアの動物病院は少数だ。


企業は何かの価値を創造し生産する。

多くの場合は独自性のある商品や専門性のあるサービスだ。


動物病院の場合、

専門技術や知識、サービスの提供を通じて一定の利潤追求を目的の一つとしている。

当然そこに、獣医師としての社会貢献や社会的な役割を果たす機能が加わる。


1.価値生産

2.利潤追求

3.社会貢献


この3つがそろえば企業。


だから動物病院も農業も製造メーカーも同じように企業だ。

教養として言葉の誤用を改めたほうがいいかもしれない。


今週、これから就職する学生さんたちと話す機会があった。


【利潤追求型動物病院】

・ 非獣医師が経営、または獣医師が経営に関与していない。

・ 利潤追求>社会貢献

・ 拡大を目的としたマネーゲームが存在目的となっている。

・ 獣医師を育成せず仕入と考えている。


こういう企業は、

利潤追求だけを目的にしやすい体質なので避けたほうがいい。


それとは別に

【経営無関心動物病院】

・ 経営に関心がなく経営を学んでいない

・ 経営計画書がない

・ 雇用契約書や教育研修システムがない

・ 経営者を牽制するシステムがない


こういう病院は、

価値生産と社会貢献は出来るが

持続的な発展や質的な成長が経営者の人柄のみに依存する傾向があるので

慎重に見極めたほうがいい。


動物病院の経営はバランス感覚が難しい。


企業の3つの構成要素

1.価値生産

2.利潤追求

3.社会貢献


執行と統制のバランスがとれた経営組織を作り

動物病院の運営をすること。


これからの時代は経営力が必須になるだろう。