オンライン診療で獣医療の幅を広げ動物病院の業務効率化を叶えたい Vol.4

【 QAL startups流 新規事業の作り方 #3 】


ゲスト

  • 浅沼 直之(株式会社みるペット代表取締役社長)
  • 石川 直人(株式会社みるペット取締役)


■みるペット立ち上げの経緯と今日まで 続


生田目: 日本でオンライン診療が広がっていくと、動物病院と飼い主のそれぞれでどのような変化が起こってくると予想していますか?


浅沼: まず動物病院サイドでは、診療の範囲を広げることができます。対面診療だけで考えると実際に来られる方が対象となるので、ある程度限定された範囲でやられていると思います。しかし、オンライン診療ができれば、関われる患者さんの範囲が広がります。たとえば、今私たちが話しているのは東京の町田市ですが、沖縄の有名な先生や北海道の専門的な先生の医療がどこにいても受けられるようになります。飼い主側から見れば、セカンドオピニオンとして専門的な先生に自宅から相談できるようにもなります。


生田目: 国家資格となる愛玩動物看護師については何か影響があると思いますか?


浅沼: 愛玩動物看護師のこれからの活躍の場としても、非常に適していると思います。看護師自体が国家資格保持者として飼い主の相談に乗るのはもちろんですが、看護師さんが現場に行って、情報を遠隔にいる獣医師に正しく伝えることで獣医師の判断のもととなる情報が増え、より正確なオンライン診療が可能となります。


生田目: このような動物病院へのアクセスを容易にするサービスが増えることで、動物医療全体の拡大につながるということですよね。


浅沼: まさにそのとおりだと思います。仮に良い医療があったとしても、そこに対するアクセスの悪さが動物医療の課題だと考えています。みるペットが、そのような課題への解決の一助になればと思っています。


生田目: 取締役の石川さんはどのような経緯で関わるようになったのですか? そしてみるペットにどのような未来を感じていますか?


石川: 浅沼とは直接的な接点はなかったのですが、仲間の紹介で知り合いました。会って、単純に応援したいと思ったのが関わるようになった理由です。私は医療ヘルスケア系の会社を経営しています。医師免許を持っている人の90%以上が病院で臨床、もしくは大学病院での研究活動などでキャリアを終えられる方がほとんどですが、浅沼は獣医師の資格を持ちながらも製薬会社のキャリアがあり、動物病院での業務効率化や、ペットオーナーにより良い生活を送るためのテクノロジー開発に着手するなどの志を持っていました。若くてエネルギーがありますね。

私は外資系の広告代理店でブランドコミュニケーション、マーケティングの戦略をやっていた経験もありますから、その部分でも協力させていただいております。


生田目: 石川さんは、人の医療の部分やヘルスケアの会社の代表としてコンシューマーの気持ちもわかるので、コミュニケーション、マーケティングのジャンルにおいてサポートされているということですね。