本書は、統計データをもとに
今の日本という国をできるだけ客観的に把握しようとした本である。
新書のサイズで、50もの項目の各データを掲載し、
解釈や考察を記述していく形は、スペース的な制限から考えても
非常に挑戦的な本であった。
考察については異論がある箇所もあるが
それも踏まえて整理して世の中に出したことの意義は大きいと思う。
新社会人の入門書としても役立つものだ。
・ 労働時間は60年代よりも700時間減少
・ 製造業の労働生産性は世界第1位から第15位に後退
・ 労働人口の70%が第三次産業に従事
・ 開廃業率は他国の1/3しかない
・ 男性の4人に1人は未婚。女性の5人に1人は未婚
・ 空家率は増え、貯蓄率は減少
など。
様々な項目がまとまっているが、
特に経営者やビジネスパーソンにとって大切なことは
・ マスコミやネットニュースの雰囲気でわかった気にならない
・ 出来るだけデータを見て自分で考える
・ 自分が以前に経験した日本と今日の日本は変化している
・ 他人が強調した解釈に騙されず出来る限り複眼的に情報収集する
といったことだと思う。
様々な気付きや視点としての切り口をこの本から教わったので
さらに自分で詳しく調べてみたいと思った。
そういう点では、ヒントの多い良書である。
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