【ペット業界の未来を拓く、QAL経営】
ゲスト
・クレーン 淳(株式会社ラニマル 代表取締役社長)
■今後の展開
生田目:ペット業界では、さまざまなスタートアップ企業や大企業の新規事業開発が進んでいます。その中で「世界中のペットを見守る」ことを事業化されていくラニマルさんは、今後どのような展開を予定していますか?
クレーン:最初にお伝えしたとおり、「人による心のこもったサービス」と、「ITやAIを駆使したテクノロジー」の2点を軸にサービスを展開していきます。
テクノロジーの力を用いつつも、やはり心のこもったサービスは、人でなければできないと思っています。そういった強みを活かしたペットシッターを軸に、ご自宅へトリミング・獣医療・介護・看護・デンタリスト・トレーニングなどのサービスを届けることが可能だと思っています。『セワクル』はご自宅に訪問することが強みになるので、それを活かしていきたいですね。
生田目:それはつまり、プラットフォーム化を進めるうえでの連携ですね。
クレーン:そうです。私たちはペットを見守ることでいろいろな情報を集められます。
たとえば、ペットシッターは、お世話するのにそのペットのいろいろな情報が必要です。生活そのものはもちろん、使用している用品のメーカーなども含まれます。
そのような情報を全てデータ化しているのです。
生田目:たしかに、安全にペットたちのお世話をするためには、どの情報も必要不可欠ですね。各企業としてはその情報こそが宝の山かもしれません。
それぞれのペットの診察履歴などもデータ化しているのですか?
クレーン:はい。そうして集めた情報こそが私たちの強みの1つです。
もう1つの強みとして挙げられるのは、ソリューションですね。たとえば、シッターさんはシッティング後にご家族にペットに関する報告やアドバイスをします。
生田目:「あなたの愛犬はこんな感じでしたよ」というようなものですね。
クレーン:その通りです。
例えば、シッターさんからの報告には、滑りやすい床に関することが本当に多くあります。今まではその報告に追加して、滑らないワックスやコーティングなどを薦めるようなことをしてはいませんでしたが、今後はそういった事案にソリューションを乗せていきたいと思っているところです。
生田目:人による心のこもったサービスにソリューションビジネスを付加することで、さらに収益化が見込めるということですね。
クレーン:私たちのプラットフォームの良さを出したいですし、事業の収益アップにつなげていきたいと思っています。
直接的なサービスで収集できた情報、つまりデジタルだけでは見えないリアルデータを蓄積し、ペットと暮らす人々のためのプラットフォーム開発を行おうと考えています。
また、ITやAIを駆使したテクノロジーに関しては、セキュリティと見守りが重要だと思っています。ペットシッターによる生活データの回収から始めましたが、スマートグラス(メガネ型ウェアラブルデバイス)や状態検知機能による24時間365日での見守りが実現できる日も近いです。
現在、スマートグラスをシッターさんに装着して、シッティングを全て録画する実証実験を行っています。通信で飛ばしてリアルタイムで、というところまでは進んでおりませんが、エビデンスにはなりますね。
生田目:それはかなり先進的で、とても面白いですね。
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