日本で唯一の動物看護専門誌「as」から動物看護専門月刊誌「動物看護」へ Vol.4

獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ


ゲスト

・高橋真規子

(株式会社EDUWARD Press 動物看護専門誌「動物看護」編集長、愛玩動物看護師)

・酒井麻有

(株式会社EDUWARD Press 動物看護専門誌「動物看護」担当、愛玩動物看護師)


■愛玩動物看護師の国家資格化とその影響について


生田目:ありがとうございます。お話をお伺いしていると、「動物看護」は現場に最も近い教育教材なのだと感じます。

大学教員など教育に携わる先生方、現場のスタッフの方、院長先生などが国家資格化について実際にどのように感じているのか、とても興味があるのですが、教えていただけますか?


高橋:教育に携わる先生方からも、愛玩動物看護師の誕生は動物医療の歴史の大きな転換点となるだろうと言われています。

一方で、先ほども少し触れましたがよりレベルと質の高い教育が必要とされるという認識もあり、教育の高位平準化が必要であるとも言われています。

生田目:確かに教育の観点から見れば、その高位平準化は最も重要なポイントですね。

やはり教育従事者の立場からしても、今回の国家資格化は期待度が高いのでしょうか?


高橋:「国家資格化=社会的に認められること」という認識もあることから、期待度は高いと思います。

愛玩動物看護師は「診療の補助」を行うことができるので、その活躍の場も増え、獣医療の発展に寄与すると考えている先生が多いようです。さらに業界の課題でもある「診療の補助」の拡大については、今後の教育が鍵となるともお聞きしています。


また、国家資格化により、愛玩動物看護師は社会的な責任を背負う立場ともなりました。これは常に一定以上の質の動物看護を提供することを保証しなければならない、ということです。

そのため、教育従事者は、卒業する学生が愛玩動物看護師として活躍する際には、社会に注目される立場であり責任が伴う立場になるということを、常に念頭においた教育の必要性を感じています。


生田目:ありがとうございます。では、院長先生たちはどのように感じているのでしょうか?

酒井:院長先生方からは、期待も大きいのですが、一方で不安な声も多く聞きました。

期待としては、やはり業務範囲が増えることで、より高度な動物医療に費やす時間を確保することができたり、飼い主様に対してより手厚いケアを行うことができたりするという点です。

愛玩動物看護師は動物病院になくてはならない存在であると皆さん考えているようです。

Vol.5へ続く