国家資格化に向けて奔走した日本動物看護職協会。会長から見る愛玩動物看護師の未来 Vol.2

獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ


ゲスト

・横田淳子(一般社団法人 日本動物看護職協会会長、愛玩動物看護師)


■愛玩動物看護師法の制定を実現した日本動物看護職協会とは?


生田目:横田会長が運営されている日本動物看護職協会について、どのような団体なのか教えてください。


横田:日本動物看護職協会は、「動物看護」を職としている方々のための協会とすべく、2009年に日本で唯一の職能団体として設立されました。

本協会は動物看護に関する学術および教育の発展、そして動物医療における動物看護職の職域の確立を図ることにより、動物の健康と福祉の増進や国民の健康と福祉の向上に寄与することを目的に運営されています。


生田目:具体的にどのような流れで設立されたのですか?


横田:農林水産省では2005年の時点で「『獣医療補助者』にあたる人たちの位置づけ」については話し合われていました。しかし、明確な方向性がなかなか決まらなかったこともあり、自分たちで職能団体を設立したほうが良いだろうと、日本獣医師会を含め業界内で声が上がり始めたことがきっかけとなり、協会を設立することとなりました。

2008年に準備会を結成し、600名の支援者を募り設立資金を集め、2009年に一般社団法人として本協会を設立しました。その後、2013年に私が3代目の会長となった時点で会員は動物看護職の方のみという形になりました。


生田目:一般社団法人を立ち上げそれを運営することは、かなりエネルギーのいる活動ですよね。具体的な活動内容についてもお聞きしたいのですが、これは「協会の定款にある7つの軸」をもとに活動されているのでしょうか?

横田:はい、そうです。本協会の定款は、

  1. 動物看護の学術及び教育に関する事業
  2. 動物看護職における職域の確立に関する事業
  3. 動物の福祉及び公衆衛生等の普及啓発に関する事業
  4. 動物看護の広報等に関する事業
  5. 動物看護職の労働環境の改善に関する事業
  6. 動物看護職の福祉に関する事業
  7. 公衆衛生の向上に関する事業

となります。途中いくつか修正はしておりますが、主な活動内容は14年間変更しておりません。

Vol.3へ続く