国家資格化に向けて奔走した日本動物看護職協会。会長から見る愛玩動物看護師の未来 Vol.5

獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ


ゲスト

・横田淳子(一般社団法人 日本動物看護職協会会長、愛玩動物看護師)


■「まさか愛玩という名称が付くとは……」。国家資格「愛玩動物看護師」は数々の折衝のうえに生まれた 続き


横田:「診療の補助」の具体的な内容は法文に記載されておらず、2022年5月1日に本法が施行された際に出された通知でもあいまいな記載内容のままでした。このことについて農林水産省の担当者とも話しましたが、主務省としては「診療の補助」は診療施設によって異なるであろうと考えているようです。

そのため、獣医師のみに許されている業務に触れなければ、社会情勢や診療施設の需要に応じて、愛玩動物看護師に求められる内容が変わっていくものと考えます。


生田目:この解釈に関しても広く周知していかないとなりませんね。


横田:そうですね。「診療の補助」を行うための条件は、愛玩動物看護師の国家資格を所有するということです。法律の制定以前に、獣医療行為であると思われる部分まで踏み込んだ補助行為が行われていた事例もゼロではありません。

そのような実態も踏まえた今回の国家資格化ですので、国としてその業務を正式に認め、法整備をしようという段階になったということがわかります。

生田目:おっしゃる通りですね。国としてその業務を認めたことは大きな一歩だと思います。

そして、ある意味“あいまい”な記載内容であることで、制限されすぎることなく、愛玩動物看護師が活躍する場を作ることができる、ということですね。


ちなみに今までは「診療の補助」に関するお話でしたが、動物病院で働いていく中で、いわゆる医療事務や運営事務に関して愛玩動物看護師はどのように関与していくべきだとお考えですか?


横田:私は愛玩動物看護師がステップアップしていくうえで、統括する立場となる主任やマネージャー職に就くことは良いことだと考えています。このような立場に就くことは、動物病院経営について獣医師や院長と経済的な折衝を行う役割が生じることに繋がるため、動物病院の運営に参加できるような人物になっていかなければならないと思います。


生田目:そのような立場に就くことができれば、とても理想的ですね。ですが、動物病院の運営に関することは学校の教育課程には組み込まれていないのが現状ですよね。


横田:残念ながらそうです。愛玩動物看護師自身は雇用される立場ですが、労働基準法や会社法などの基礎の部分だけでも教育の過程で学ぶことが必要だと考えます。

また、経済に関しても学生のうちから興味を持つべきです。動物病院業界はただ単に動物の飼育数によって左右される業界ではないのだということを知らなければ、動物病院の運営への興味・関心を持つことは難しいと思います。


生田目:おっしゃる通りだと思います。ぜひ教育課程にも組み込んでほしいと思います。

Vol.6へ続く