業界の明日を変える、愛玩動物看護師の未来像~国家資格化による職域の広がりと可能性を考える~ Vol.6

獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ


ゲスト

・石岡克己(一般社団法人日本動物看護学会理事長、獣医師、博士(獣医学))


■一般社団法人日本動物看護学会とは?続き


生田目:獣医学領域での学会誌は数多くあり、様々な調査、研究を目にすることがありますが、それらは獣医師や獣医学系の大学機関・研究機関の方が投稿することが多いと思います。一方で、動物看護領域での研究はどのような内容なのか、非常に興味があります。


石 岡:学会誌『Veterinary Nursing』の投稿は基本的には動物看護に関わるものですが、意識調査やアンケート調査から、動物看護師の役割や意義を検討するもの、教育関連、実験、リハビリテーション事例、動物病院の管理方法に関するものなど、かなり多種多様です。

最近では飼い主様に「いつ、飼っている動物の癌に気づいたか」を聞くアンケート調査や、文献内容に沿った簡単な実験報告などがありました。


生田目:実践的で診療や動物病院運営のヒントになることがふんだんにあり、非常に面白そうですね。ぜひ、じっくり読んでみたいと思います。


石 岡:ありがとうございます。診断と治療がメインになる獣医学の学術誌とは一味違う、幅広い分野の情報を掲載できるのが大きな特徴で、その情報が動物看護師にとって有意義であるかが、掲載可否の判断基準の一つになっているんですよ。

基本は日本語ですが、投稿自体は世界中から募集しているので、英語の論文も掲載可能です。最近では、海外在住の日本人からの投稿も掲載しています。

実は、紙媒体で発行したのは昨年度が最後になり、今年度からはウェブジャーナルに形態を変えています。実際に手に取って見ることができる媒体を無くすというのは勇気が要りましたが、ダウンロードすれば世界中どこででも閲覧できる点は、非常に大きなメリットだと捉えています。ただし、紙媒体が無くなることで会員離れの不安があったのも事実。


そこで、ウェブジャーナル化と同時に、オンデマンドの学術講座をスタートしました。会員限定で年に数本視聴できる仕組みにしており、会員メリットを高めていく考えです。

Vol.7へ続く