業界の明日を変える、愛玩動物看護師の未来像~国家資格化による職域の広がりと可能性を考える~ Vol.7

獣医療において愛玩動物看護師の革命は起こるのか?
プロフェッショナルインタビューシリーズ


ゲスト

・石岡克己(一般社団法人日本動物看護学会理事長、獣医師、博士(獣医学))


■日本動物看護学会が目指すところは?


生田目:愛玩動物看護師が国家資格化された今、動物看護に関する教育・研究に携わる人たちにとって、動物看護学会はなくてはならない存在ですね。愛玩動物看護師法の制定でさらに学会の役割は大きくなっていくのではないでしょうか。


石 岡:国家資格化されて以来、動物看護学を教育カリキュラムに導入する大学が増え続けていますが、大学教員は教育だけでなく研究も重要な仕事です。教員になったり昇進したりするには研究業績を積み上げることが必要ですが、これは学術論文の発表実績などで評価されます。獣医学をテーマにした学術誌は数多くある一方で、動物看護学を主な対象とする学術誌は実は世界的にもそう多くはありません。動物看護学の研究を行う人たちがそれを発表する場を提供することは、学会として重要な意味をもつと考えています。


生田目:貴学会誌は2020年から日本最大級の総合電子ジャーナルプラットフォームであるJ-STAGEにも採用されたとお聞きしています。

石 岡:J-STAGEに採用されたことの意義は大きく、それが業績として評価される条件となっている場合もあるようです。診療現場で行った調査や事例報告の投稿も受け付けていますので、大学だけでなく動物病院で働く動物看護師からの投稿の増加にも期待しています。


生田目:動物看護師に関わる団体は、すでにいくつかありますが、他団体との協力・連携体制も強化するのでしょうか?


石 岡:はい、もちろんです。動物看護師に関わる団体としては、職能団体である一般社団法人日本動物看護職協会、大学での動物看護教育を支援する一般社団法人日本動物保健看護系大学協会、専修学校での教育を支援する全国専修学校動物系教育協会、一般社団法人全国動物教育協会などがあります。各団体にはそれぞれの役割がありますが、当学会としては必要に応じてこれら他団体と協力・連携しながら、ともに動物看護の世界を発展させていきたいと考えています。


動物看護学は、まさにこれから発展する若い専門分野です。これから学んでいく人たちには、ぜひ新しい時代の開拓者として進んでいってもらいたいと思っています。


生田目:ありがとうございます。まずは学問として確立させることからスタートし、動物看護学を発展させていくことが愛玩動物看護師の社会的地位の向上にもつながり、ひいては日本の獣医療の発展につながることになりますね。

Vol.8へ続く