弟子だけが受け継ぐもの

「弟子」という言葉、

だいぶ古臭く感じるようになった。


ただ師匠から直接教えてもらわないとわからないものもある。


それは、

・ 呼吸と間

・ タイミングや勘

・ バランス感覚

・ 微妙な力加減

・ 微調整の方法

など。


僕は独立起業する前の3年8ヶ月の間、師匠についた。

師匠のビジネスセンス、すなわち頭の中身を丸ごとコピーさせていただいた。


この場合は多分こうするな。

多分こう発言するだろうな。

とか。


創業者という人種は基本常人ではないので、仕事は大変だった。

しかし何物にも代えがたいほどとても多くのことを学んだ。


おかげで29歳で独立するときには、

① 自分のアタマ

② 師匠のアタマ

③ 中小企業診断士のアタマ(いまは違うが...笑)

の3つの視点でビジネスを考えることができるようになっていた。


ある分野の芸術作品について、解説できる人は多くいる。

時代背景や、芸術家の生い立ちがどう影響を与えたとか。

同じ時代の誰と比較するとこうだとか。


また、その芸術家の技法や技術について解説する人もいる。

当時の材料や楽器の性能なども踏まえて、いろいろ教えてくれる。


でも、師匠から学ぶのはこれらではない。

アタマの中身だ。

どうしてその技法を使って、その作品を作っていったのか?

どういう基準や判断でその順番で進めていったのか?


そういうことだ。


完成品や技法については、

本でもセミナーでも学校でも学べる。

ケーススタディー、事例研究、作品鑑賞など。ネットでも結構拾える。


だが、それを勉強して分かった気になっても、

実践では絶対に役に立たない。


初めから個性を求めすぎてる人ほど、

複眼的な思考ができてない。


"オレ流ではなく、視野の狭いオレ様流"

そうではなく、いちばんの近道である方法、

ヒトの頭を盗んでみることをおススメする。


僕は常にその時々で師匠がいる。

いまも一緒にビジネスをしながらその師匠の呼吸や間を盗んでいる。


でもその師匠を見つけることも

その技を盗むことも結構難しい。


でも師匠たちのおかげで

いまでは7人の頭で

僕はものごとを考えられるようになった。


そしていつも弟子もいる。

彼らにだけ口伝で頭の中身を伝えている。

彼らも僕だけではなく複数の師匠から学んで、

その師匠の種類でオリジナリティを出していってほしいと思う。

(内容と関係ありませんが万里の長城です)