会社の寿命は30年という説



中小企業診断士の資格試験の勉強をしていた2000年頃、

「会社の寿命は30年」という説を始めて聞いた。


当時は、知識としては分かっても

実感としては理解できなかった。


しかし、自分が経営者として20年近くの経験を持つようになると

会社の寿命が30年だという説は、良く理解できる。


「明治維新以降の日本経済は30年周期である」

「ビジネスモデルの寿命がますます短くなってきている」


そもそもこのようなことではなく、

企業のライフサイクル

創業期、成長期、成熟期、衰退期と続く流れ。


生まれ、成長し、ピークを迎え、やがて衰えていく。


会社が生まれた瞬間から老化を始めるこの必然の原因は、

結局は経営者(創業者)そのもののライフサイクルというよりは、

老化のプロセスと一致することがよくわかる。


基本的に経営者の仕事は常にプレッシャーとの闘いであり、責任も重い。


しかし、それと同時に

創業してから、何とか資金繰りが安定する成熟期までたどり着くと、

時として退屈してしまう経営者もいる。


そのさきは2つのパターンがある。


1つ目のパターンは、

本来は経営資源であるヒト・モノ・カネを

本業か事業開発以外の事に使い始める。


さらに言えば、自分の時間を事業以外の事、

趣味などに使い始める。


そうやって事業がおろそかになり、会社は老化が一段と進む。


そして趣味に飽きた頃、もう一度会社に熱を入れてみても

既に事業と自分のライフサイクル上の旬は過ぎてしまっている。


2つ目のパターンは、

本業と全く関係のない事業開発に意識を向ける。


メーカーなのに講演業を始めたり

専門的受託業務のはずが飲食店を始めてみたりと

強みを活かせない、計画性のない新規事業に猛進する。


本業そのものや本業周辺にはまだまだ市場があるにもかかわらず

本業に飽きて全く違うことをやりたくなってしまうパターンだ。



経営者は、

・創業期

・成長期

・成熟期

・衰退期

会社のどのステージの時でも事業開発をせよ。


そして事業創造の実力を蓄えよ。


挑戦を続けなければ

30年の壁のはるか手前でその会社は終わりを迎えるだろう。


本業に集中し伸ばすことは当然必要。

しかし、経営者としての成長と成功のためには事業開発のスキルが必要。


気まぐれで始めて出来るものではない。

経営者は、常に30年の壁を越えて学び続けよ。