社長や経営者の本当の役割とは何か?



「三方よし」という言葉がある。

近江商人の経営哲学の1つだといわれている。


買い手よし、売り手よし、世間よし。

これがそろってやっと正しい商売だという考え方は、

とても共感できる。

経営者の役割はただ一つ。


「関わる全ての人を幸せにする」


これだけだ。


関わる全ての人というのは、

いわゆるステークホルダー(英: stakeholder)。

・ 顧客

・ 従業員

・ 仕入先

・ 外注先

・ 協力先

・ 株主

・ 経営陣

・ 地域社会

・ 行政機関

・ 日本

・ 地球環境

など。

組織が行う活動によって、

直接的または間接的な影響を受ける利害関係者すべて。


最近ニュースで、ESGやSDGs などの言葉をよく聞く。


ESG : 環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)

SDGs: Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)


これらは、改めてキーワードとしてよく見かけるようになった。

今は中学生でも知っているキーワードだ。


意識の高まりもあるが、

経営者に限らず、企業内部での不祥事が

多くなってきたからよく目にするのかもしれない。


しかし、経営者をやる以上はこれを考えるのは当然のこと。


「関わる全ての人を幸せにする」


この覚悟を持つことに躊躇するうちは、

経営者になるにはまだ早い。


単なる金儲けなら人を雇って事業活動をしないほうがいい。

人を雇わずに個人事業主をするか、個人投資家をするのが一番だ。


単なるイベントやコンセプトなら会社を作る必要はない。

経営はお祭りや遊びじゃない。


そして一番間違えるのが、

経営をすることは金儲けの手段ではないということ。


経営者であることは「演じる役割の1つ」だ。


何らかの夢や目標があり、

達成したいミライがあって人を呼び集める。

そのためのビックピクチャーを提示し、

必要なお金を得ながら、チームを作り、

チームが円滑に動くように調整をする。

直接関係する人たちの生活を守り、

すべてのステークホルダーを意識しながら、

指針や方針を集合知で作り上げていく。


そして、これを24時間365日ずーっと続ける。

経営者である限り。ずっと。


そのうえで、関わる全ての人たちを幸せにするために、利益を出す。


① 従業員に約束通りの給与や待遇を保証する利益

② 事業を持続させるための利益

③ 事業の成長を目的とした投資をするための利益

④ 従業員にさらに還元するための利益


これらの利益を出さなければ

関わる全ての人を幸せにし続けることができない。


そもそも利益が出ない事業は

世の中から必要とされていないし、

誰も幸せにしていない。


たったこれだけだが、これだけの範囲の仕事をずっと続けなければいけない。

だから真面目な経営者は忙しいのだと思う。