若い頃、尊敬する先輩によく言われた。
『社長業は意思決定業だよ』
当時の私にはよく分からなかった。
意思決定の前にやるべき実務がたくさんある
意思決定だけじゃ会社なんて動かない
そう思っていた。
だが、社長を10年経験した頃に分かった。
確かに社長業は意思決定業である。
例えば
組織人としての経験が長い2代目社長。
それまで優秀で、
・ リサーチをして
・ 競合や参考を探して
・ それを分析をして
・ 選択肢を整理して
・ それぞれの収支を計算して
・ 上司やクライアントに会議で説明する
これをやれば抜群だった人でも
自ら意思決定をしようとするとできなくなる。
それまで優秀だったはずなのに。
自分で意思決定をする立場になると急に普通の人になってしまう。
これまで何人も新米社長を見てきているし
育成もしてきたが大体こうなる。
だから、これは
新米社長が陥るワナ
だと思っている。
常人が超えられないほどの難しさではないが、
新任社長が最初に越えなければならない壁。
社長業は、やったことない人が思っているほど
自由で好き勝手にやれるものではない。
やってみると意外と不自由なものだ。
そしてその中での意思決定こそが社長の仕事だ。
自らの意思をもって決断せよ。
全ての結果への責任は自らが持っている。
誰も意思決定だけは助けてくれない。
独善的で視野が狭い決定をすれば、
まわりから見限られ
人の意見を聞きすぎれば、
優柔不断と言われる。
社長になるなら実践から学ぶことだ。
経営学の知識では社長として成功はできない。
経営は実践の科学であり、学問ではない。
0コメント